" /> 1おぐす社労士事務所 障害年金相談

障害年金の基本的なルール


障害年金をもらうための三つのハードル

 障害年金をもらうためには三つのハードルをクリアーしなければなりません。
 その三つのハードルとは・・・・・

第一のハードルは、
 請求する病気やケガについて初めて医師又は歯科医師にかかった日(「初診日」といいます)に、 いずれかの年金制度に加入していることです。これを、初診日要件といいます。
第二のハードルは、
 初診日の前日までに、一定以上の期間、きちんと保険料が納められて いなければならないということです。これを、保険料納付要件といいます。
第三のハードルは、
 初診日から1年6ヵ月経った時点、または、障害年金を請求する時点で、障害の状態が 法律で定める障害等級に該当していなければならないということです。これを、障害等級該当要件といいます。

 これら三つのハードルをクリアーして、初めて障害年金をもらうことができます。
 以下で、これら三つのハードルの一つ一つについて、そのポイントをご説明します。

第一のハードル…初診日(制度加入)要件


 初診日の要件の原則は、障害の原因となった病気、ケガについて初めて医師または歯科医師にかかった日に、 いずれかの年金制度、つまり、国民年金か厚生年金(共済年金を含みます)に加入していなければなりません。 (任意加入でも大丈夫です。)
 そして、すべての要件をクリアーして障害年金をもらえるようになった場合には、初診日に加入していた 年金制度に対応して、次のような種類の障害年金が支給されます。
  国民年金       ⇒  障害基礎年金
  厚生(共済)年金   ⇒  障害厚生(共済)年金
  ※共済年金で平成27年10月以前に受給権が発生(障害認定日又は事後重症請求日で判断)した
   場合は、障害共済年金が支給されます。

 ただし、次の場合は特例として、初診日に年金制度に加入していなくても、障害年金をもらえる可能性があります。  この場合、他の要件をクリアーして障害年金をもらえるようになった場合には、障害基礎年金が支給されます。
@ 初診日が20歳前にあり年金加入歴が全く無い場合。 (20歳前障害といいます。)
A 何らかの年金加入歴があり、被保険者でなく、国内在住の60歳〜65歳未満に初診日がある場合。
※ 初診日には様々な特例があります。必ずしも診察を受けて正しい病名が決まった日とは限りませんし、
  因果関係のある病気が関係している場合はその特定が難しくなります。良く分からない場合はご相談
  ください。
※ 20歳前障害の場合、年収が一定以上あると障害年金をもらえないことがあります。
    

第二のハードル…保険料納付要件


 保険料納付要件は原則として、「初診日の前日において」次の条件を満たしている必要があります。
「初診日の前日において」ということは、初診日以後に遅れて納められた保険料があっても、 それは納めたことにならないということです。なお、障害共済年金に保険料納付要件はありません。

初診日の属する月の前々月までの被保険者期間について、
@ 保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上あること。
A または、直近の1年間に未納がないこと。(65歳以後はこの扱いがありません。)
 ※ 被保険者期間には国民年金、厚生年金、共済年金のすべてが含まれます。
 ※ 国民年金では、初診日以後に保険料を納付した期間は、障害年金について、保険料未納の扱い
   とされます。
 ※ 一部免除の保険料免除期間は、免除されない部分の保険料が納められていない場合、未納の
   扱いとなります。

 ただし、次の場合は、例外として異なる取り扱いがされますのでご注意ください。
@ 20歳前障害の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保険料納付要件を問われません。
A 60歳〜65歳未満に初診日がある場合・・・・60歳前の被保険者期間で判断します。

第三のハードル…障害等級該当要件


 障害等級に該当するか否かの審査は、原則として初診日から1年6ヵ月経過した日「障害認定日」と いいます)に行います。
 障害認定日に障害等級に該当しない場合は、障害年金を請求した時点(65歳前に限ります)の障害状態を審査して、 障害等級に該当すれば障害年金がもらえます。
 障害認定日時点での障害状態を審査して、そこから(障害認定日の翌月から)年金の支給を求めること を認定日請求といいます。認定日請求は何年でも遡って請求できます。ただし、年金をもらえるようになっても、 遡ってもらえる年金は、時効がありますので請求から5年前までです。
 認定日時点の障害状態が明らかに障害状態に該当しない、あるいは、認定日時点の障害状態が良く分 からないということで、請求日以降(請求日の翌月から)についてのみ障害年金の支給を求める方法を 「事後重症請求」といいます。事後重症請求は65歳以降はできませんので注意が必要です。
 新たに障害年金をもらうために審査を受けるタイミングは、以上の二時点しかありません。もし、この中間 の時点で障害等級に該当するはずと思っても、審査は受けられませんのでご注意ください。

障害等級と障害年金額について


障害等級の決め方
 障害等級の審査は、医師が書いた障害年金専用の「診断書」と、請求者が書いた 「病歴就労状況等申立書」にもとづいて、書類のみで、日本年金機構本部の認定医が行います。 審査に当たっては診断書が最も重視され、診断書の内容で8割が決まると言われています。 あとの2割は病歴就労状況等申立書やその他の提出資料ということになります。
 審査の判断基準は厚生労働省で定める「障害認定基準」で、日本年金機構のホームページでも公開されて いますので、これを見れば、自分の障害等級がどの位であるかある程度判断できます。
 また、精神の障害については「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が定められていて、同様にホームページ で公開されていますので、併せてご覧ください。
 なお、診断書の様式は、障害の内容に応じて8種類ありますので、どの様式を使うかは年金事務所で 確認する必要があります。

障害等級の種類
 もらえる障害年金の等級は障害年金の種類で異なり、次の通りですが、障害基礎年金は1、2級しかあ りませんので、それだけハードルが高いといえます。

障害基礎年金・・・・・・・・・1級、2級
障害厚生(共済)年金・・・1級、2級、3級、障害手当金(一時金)

 障害等級の定義は次の通りですが、「障害年金についての誤解(その1)」に書いてあるような背景もあり ますので、障害認定基準を見ながら慎重に判断する必要があります。
  1級・・・・・・・・・日常生活の用が不能な程度の障害
  2級・・・・・・・・・日常生活が著しい制限を受ける(労働により収入を得ることができない)程度の障害
  3級・・・・・・・・・労働が著しい制限を受ける程度の障害
  障害手当金・・・労働が制限を受ける程度の障害

障害年金の額
 障害年金の金額は、障害基礎年金と障害厚生(共済)年金では、障害厚生(共済)年金の方が圧倒的に 有利です。なぜなら、障害厚生(共済)年金のみに3級と障害手当金があるということの他に、障害厚生 (共済)年金の1級と2級は同時に障害基礎年金の同じ等級(1級又は2級)が支給されるからです。
 これは、老齢厚生(共済)年金が同時に老齢基礎年金を支給されるのと同じ理屈で、厚生(共済)年金の 被保険者は同時に国民年金の第2号被保険者でもあるという制度によるものです。
 以上を一覧表にすると、概略は次のようになります。(金額は平成30年度の額)

・障害共済年金は上記に加え、職域加算が支給されます。
・障害厚生(共済)年金の月数は障害認定日が属する月までを算入します。
・障害手当金は障害厚生(共済)年金3級の額の2倍です。(最低保証 1,169,000円)
・「配偶者加給年金」の対象となる配偶者は、受給権者によって生計を維持される65歳未満の配偶者です。
 老齢厚生(共済)年金と異なり、配偶者特別加算はつきません。
・「子の加算」の対象となる子は、18歳以下、または障害があって20歳未満の子です。

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2019.1.20 当サイトを開設いたしました。